【看護国試】第101回 ベンゾジアゼピン系薬を服用中の高齢者について若年と比較した特徴で正しいのはどれか。
みなさん、こんにちは。 お元気ですか?
10月がやってきましたね。
これからどんどん寒くなって、あっという間に国家試験です。がんばっていきましょう。
では、金曜日の問題の答から
問題 ベンゾジアゼピン系薬を服用中の高齢者について若年と比較した特徴で正しいのはどれか。 第101回看護師国家試験 午前問題64 |
ベンゾジアゼピン系薬は主に睡眠薬として、用いられています。
解答は4です。理由を見ていきましょう。理由は自分でも日本語で言えるようにしておいてくださいね。
1(×)9月29日の毎日通信で説明しましたが、高齢者は成人と比べ薬が効きやすいです。薬が効きやすいことを「薬物感受性が高い」といいます。ベンゾジアゼピン系薬も同じです。薬物感受性が高いですので、この選択肢は間違いとなります。
2(×)高齢者は肝機能や腎機能がどうなるんでした?低下するんでしたね。
それで、薬物の作用は持続することになります。
3(×)相互作用(そうご さよう)というのはお互いに影響しあうことです。例えば、勉強を一生懸命する人と友達になり、あなたは高齢者看護学を教え、相手は母性看護学をあなたに教えてお互いに影響しあって一生懸命勉強するようになるというようなことは相互作用です。薬も同じです。高齢者はたくさんの薬を飲んでいるので、それらの薬はお互いに影響しあい、相互作用が起こりやすくなります。
4(○)「1」で説明したとおり、薬物感受性が高いので血中濃度は高いということです。
今日は「高齢者と便秘」について勉強しましょう。
みなさんが働く病棟でも、便秘のお薬を飲んでいる患者さんは多いのではありませんか?
便秘は、次の2つのタイプに分けられます。
機能性便秘(きのうせい べんぴ): 腸の働きが鈍くなったり、けいれんするなど、機能が悪くなって起きる
器質性便秘(きしつせい べんぴ): 腸の中で炎症を起こしたり、腫瘍(ポリープなど)ができるなど、腸における病気が原因で、腸管内が狭くなることによって起きる
この2つのうち、多いのは「機能性便秘」です。とくに高齢者は、腸の働きが低下し、大便を押し出す力が弱くなったために起こる便秘が多く見られます。なぜ高齢者に多いのでしょうか?その理由としては、次の4つが挙げられます。
① 食事の量が減る:
高齢になると、若い頃に比べて、食事の量が減ってくる。すると、便の量が少なくなるため、便意を催しにくくなる。
(排便反射が起こるのは、直腸内圧が亢進し,40~50mmHgになった時)
② 腸の働きが低下する:
加齢に伴って、腸の働きが低下し、大便が腸にとどまる時間が長くなることによっ
て、水分が吸収される。そうなると便が硬くなって出にくくなる。
③便を押し出す力が弱くなる:
排便するときに必要な腹筋や肛門括約筋が弱くなってしまい、便を押し出しにくくなる。
④便意を感じにくくなる:
大便が直腸に到達すると、直腸の神経が感知して大脳を刺激し、便意を感じるが、直腸の知覚が低下して便意を感じにくくなる。そのため、排便のタイミングを逃してしまう。
このような理由で高齢者は便秘になりやすくなります。
私たち看護師は、便秘の理由を考え、順調な排便ができるように援助していきます。
ここで問題です。
問題 寝たきりの高齢者。常に少量の水様便に硬便が混じっているため、おむつを使用している。発熱や嘔吐、皮膚の乾燥はない。適切なのはどれか。 第93回看護師国家試験 午前問題108 |
本日はここまで。
答だけではなく、理由もきちんと考えて日本語で言えるようにしておいてください。
解答は明日です。