【看護国試】第94回 骨粗鬆症の高齢女性に対する日常生活の指導で正しいのはどれか。

みなさん、こんにちは。お元気ですか? 
先日、必修問題の模擬試験をやりました。
6月の模擬試験と比較するとよい点数でした。
合格点に届いている人もいました。 合格点に届かなかった人は①知っていることばが不足している。②過去問の答を覚えてしまっていて、それを書いてしまう。③問題をよく読んでいない。ということが原因のような気がします。
ことばは専門用語が不足しているだけではなく、ふつうの日本語も不足しているように思います。
また、何度も言っていますが、過去問の答を覚えても点数は取れません。国家試験には同じような問題は出ますが、同じ問題はでないからです。
問題をよく読むことは大切です。「言語的コミュニケーションはどれか」「非言語的コミュニケーションはどれか」というのは全く違う答になります。
では、今日も高齢者看護学を学習していきましょう。

昨日の問題の答から

問題 骨粗鬆症の高齢女性に対する日常生活の指導で正しいのはどれか。
1. ビタミンCを多く含んだ食品を摂る。
2. 前傾姿勢で歩く。
3. やわらかいベッドで寝る。
4. 筋力を増強する運動をする。

第94回看護師国家試験 午前問題116

解答 4
解説
1. (×) ビタミンCを多く含んだ食品を摂る。
ビタミンDを多く含んだ食品を摂取する。吸収されたビタミンDは、腎臓で活性化され腸管からのカルシウム吸収を助ける。
2. (×) 前傾姿勢で歩く。
前傾では転倒する恐れがある。正しい姿勢をとることが必要である。
3. (×) やわらかいベッドで寝る。
柔らかいベッドでは背骨のS字カーブを保つことができない。腰部への負担がかからない様、程よい硬さのベッドが良い。
4.(○)筋力を増強する運動をする。
筋力を増強させ体幹を鍛えるとともに、骨密度の低下を防ぐ。

今日はパーキンソニズム、パーキンソン症候群を説明します。パーキンソン病パーキンソン症候群がありますね。
パーキンソン病」は、脳の中脳黒質にある「ドパミン神経細胞」が、何らかの影響によって変性・脱落した結果、線条体で「ドパミン不足」が起こるゆっくり進行する錐体外路系変性疾患(すいたい がいろけい へんせい しっかん)です。
パーキンソン症候群」は、脳血管障害や薬の副作用などが原因で「ドパミン不足」が起こる症状のことです。

パーキンソン病の主な症状は「手足がふるえる(振戦)」「筋肉がこわばる(筋固縮)」「動きが遅い(無動)」「バランスがとりづらい(姿勢反射障害)」の4つです。
パーキンソン症候群」でも同じような症状が現れますが、それらの多くは「パーキンソン病」とは原因が異なり治療法も違います。
パーキンソン病の治療では中心となるのが薬物治療です。
■L-ドパ
L-ドパは、脳内で不足しているドパミンを直接補充する薬剤。パーキンソン病の薬物治療において中心となる薬です。
ドパミンアゴニスト(ドパミン受容体刺激薬)
ドパミンアゴニストは、少なくなったドパミンの代わりに脳内のドパミン受容体に結合し、働きを補う薬剤です。
■COMT阻害薬
L-ドパを分解する酵素である「COMT」の働きを阻害し、脳内に入るL-ドパ量を増やすための薬です。
■抗コリン薬
ドパミンの減少により、過剰となっているアセチルコリンの働きを抑制する薬です。
緑内障前立腺肥大などの症状を持っている方は、悪化する恐れがあるため使用不可。高齢者・認知症のある方には慎重に使用します。

この病気にもリハビリは大切です。訓練をしないと、元々の運動症状に加えて運動不足による筋力低下が重なることで、さらに運動機能の障害が進行してしまいます。早期に継続的にリハビリを実施することで、体力や心肺機能の維持向上ができます。また、筋肉の固縮をとったり、腕や足などの筋力、関節の可動域を保つことが出来ます。
薬も大切ですが、誤嚥予防や転倒予防も生活の質を保つために大切です。

ここで問題です。

問題 パーキンソン病患者がすくみ足を軽減させる練習をするときに、看護師が行う助言で適切なのはどれか。
1. 歩行器を使うよう勧める。
2. メトロノームを使うよう勧める。
3. 補助者と手をつないで歩くよう勧める。
4. 歩行時はかかとから足をつくよう勧める。

第100回看護師国家試験 午後問題65

本日はここまで。また、明日。