【看護国試】第96回 高齢者の多い病棟の院内感染防止対策で正しいのはどれか。

みなさん、こんにちは。
今日はベトナム人看護師さんからのメッセージがあります。

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みなさん、こんにちは。
寝やすい季節になりましたね。そして、「もう5分だけ」と毎朝起きるのか、もう少し眠るのか葛藤するのはみなさんも同じかな?仕事が終わったころには外はもう真っ暗。ひんやりした空気とどこからともかく金木犀(きんもくせい)の香りが漂っているのを感じたらもう秋到来(あきとうらい)ですね。秋は日の出から日の入りまでの時間が四季のなかで一番短いので「秋は夜長(よなが)」の言葉があります。夜の時間がいっぱいあるということになります。勉強の時間が増え、みんなさんにとってうれしいお得な季節にもなりますね。今日も1日頑張りましょう。

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では、昨日の問題の答から

問題 高齢者の多い病棟の院内感染防止対策で正しいのはどれか。
1. 抗インフルエンザウイルス薬を予防的に投与する。
2. メチシリン耐性黄色ブドウ球菌皮膚保菌者は隔離する。
3. 緑膿菌が検出された褥瘡部のケア時はマスクを着用する。
4. ノロウイルス食中毒患者の排泄ケア後は衛生的手洗いを行う。

第96回 看護師国家試験 午前問題109

解答 4
解説
1. (×) 抗インフルエンザウイルス薬を予防的に投与する。
抗インフルエンザウイルス薬は、発症後48時間以内の使用で効果があるとされる。多用は耐性菌を作り出す可能性もあるので、予防的投与はせず、高齢者にはインフルエンザワクチンで予防することが重要である。
2.(×)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌皮膚保菌者は隔離する。
隔離する必要はない。
3. (×) 緑膿菌が検出された褥瘡部のケア時はマスクを着用する。
褥瘡のケアであるので、飛沫感染ではない。手洗いはもちろんのこと、手袋やエプロンなどで緑膿菌を伝播させないようにする。
4. (○) ノロウイルス食中毒患者の排泄ケア後は衛生的手洗いを行う。
ノロウイルスは感染力が強く、特に嘔吐物や排泄物にはウイルスが含まれる危険性が高い。ウイルスに対しては消毒剤の効果も得られにくいことから、正しい手順で十分な時間をかけての手洗いが重要である。

今日は搔痒症、かゆみです。これから冬になると多発しますね。
原因が分からずかゆみだけが起きる皮膚の病気を皮膚掻痒症といい、特に高齢者に起きるものを老人性皮膚掻痒症といいます。

<原因>
皮膚の乾燥が原因で起きます。皮膚には、潤いを保つ機能が備わっています。年をとると、その機能が低下するため、皮膚が乾燥しやすくなります。乾燥すると体の外からの刺激に敏感になり、痒みがでてきます。老化により汗腺や皮脂腺の働きが悪くなると、皮膚の表面を襲っている「脂肪膜」が少なくなってきます。
そうなると外部からの刺激を防御する力が衰え、かゆみを感じ取る部分である、かゆみの受容体が、ごく軽く刺激でも敏感に反応してしまい、痒いという感覚が生まれるようになります。
 
痒みは自覚症状も強く患者さんのQOLを低下させるため、看護師によるケアが不可欠です。

<対応>
・スキンケアは保清・保湿・保護の3つが基本です。
保清;弱酸性の石けんや皮脂をとりすぎないタイプの洗浄剤を選択するとよいでしょう。
保湿;油分や保湿剤などを補いしっかり保湿して皮膚のバリア機能を回復させます。保湿剤には尿素軟膏、オリーブオイル、ワセリンなどさまざまな種類があり、用途に合わせて使用します。
保護;爪を短く、先端を滑らかに整えたり、ストッキングやレッグウォーマーなどでそう痒部を覆うことで皮膚を傷つけないようにします。
・日常生活;
入浴;血流が増さないように、ぬるめの湯にします。入浴剤は乾燥を強める硫黄入りは避けます。
衣類;チクチクする素材や化繊のもの、ゴムがきついものなどは皮膚への刺激となるため避けます。ゆったりした木綿を選び、下着などの縫い目が刺激になるときは、裏返して着用します。
ここで問題です。

問題 全身の搔痒感が強く夜間覚醒することが多い高齢者の援助で適切なのはどれか。
1. 清拭には薬用石けんを用いる。
2. 化学繊維のパジャマを着用する。
3. 就寝前に保湿クリームを塗布する。
4. 室内湿度は30~40%を保つ。

第95回看護師国家試験 午前問題108

本日はここまで。答は明日。身体に気をつけて。