【看護国試】第101回 Aさん(78歳、女性)は、脳梗塞を発症し入院治療した後、回復期リハビリテーション病棟に転棟した。担当の理学療法士は、Aさんは早く自宅に帰りたいと熱心に歩行練習をしていると話していた。転棟後、1週を経過したころから、Aさんは疲労感を訴えて病室で臥床していることが多くなった。理学療法後の血圧と脈拍とに変動はみられない。肝機能と腎機能とに異常はない。Aさん、看護師および担当の理学療法士で検討する内容として最も適切なのはどれか。

みなさん、こんにちは。
今日はベトナム人看護師さんからのメッセージがあります。

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みなさん、こんにちは。
急に寒くなりましたね。今年来日した候補者が気温の変化にすごくびっくりされ、毎日、この寒さに震えながら日本の冬に耐えられるか心配しています。
先輩のみなさんは大丈夫ですか?
そういえばインフルエンザの予防接種の時期ですね。もう注射を打ちましたか?
あれはいやですね。毎回、注射したところが腫れて、痒いのに痛くて掻けないどうしようもない気持ち!!!
予防接種を受けても絶対インフルエンザにかからないわけではありません。国家試験も近いし、心配してくれるご家族もそばにいませんので自分の健康は自分で守らないといけません。体力を使う時こそ免疫力低下になりやすいため睡眠や食事以外に日ごろのうがいや手洗いを面倒くさがらず習慣化しましょう。では、今日も元気に勉強を頑張りましょう。

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では、金曜日の問題の答から

問題 Aさん(78歳、女性)は、脳梗塞を発症し入院治療した後、回復期リハビリテーション病棟に転棟した。担当の理学療法士は、Aさんは早く自宅に帰りたいと熱心に歩行練習をしていると話していた。転棟後、1週を経過したころから、Aさんは疲労感を訴えて病室で臥床していることが多くなった。理学療法後の血圧と脈拍とに変動はみられない。肝機能と腎機能とに異常はない。Aさん、看護師および担当の理学療法士で検討する内容として最も適切なのはどれか。
1. 運動強度の軽減
2. 家事動作練習の追加
3. 翌日の理学療法の中止
4. 病棟での歩行回数の増加

第101回看護師国家試験 午後問題64

 

解答 1
解説
1.(〇)運動強度の軽減
疲労感の訴えがある。運動強度を軽減して様子をみることが望ましい。
2.(×)家事動作練習の追加
早く帰りたいと意欲は見せていたので、今後行うこととしたい。まずは疲労をとることが優先である。
3.(×)翌日の理学療法の中止
血圧、脈拍、検査値に異常がないため、リハビリを中止してしまうのは意欲低下につながる危険性が高い。
4.(×)病棟での歩行回数の増加
疲労感を訴える患者にリハビリの強化は適さない。
かんたんでしたか?

今日は連携れんけいcooperation)についてです。連携はよく使うことばです。看護師は家族やほかの病院の人や地域の人々と連携して仕事をします。「連携」はおぼえておきましょう。協力とだいたい同じ意味です。
さて、患者さんは病院から自宅に戻るにあたり、心配なことだらけだと思います。また、点滴など入院中の看護ケアを継続する患者さんもいます。
地域包括ケア(ちいき ほうかつ ケア)では、多職種連携(たしょくしゅ れんけい)が大切になります。
多職種連携というのは患者さんをケアするためにいろいろな仕事をしている人と協力することです。
イメージできない人はこちら↓

http://familiacl.jp/?page_id=93外部リンク

多職種医療依存度が高い患者さんの場合は、病棟看護師と地域の訪問看護師の連携が特に重要になります。

私たちが患者さんや家族からよく聞くのは、「元どおりの身体になって、元どおりの生活ができる」ようになったときが「退院する時」という言葉です。患者さんはそう思っています。しかし、病院にいても体が元通りになるとは限りません。そうした時に「退院」と言われて患者さんも家族もびっくりします。
そのため、現在では病棟看護師は患者さんが入院の時から退院を考えた看護を展開しています。
*この患者さんは退院支援が必要なんだろうか?スクリーニングをしたりアセスメントをして選び出す
*支援が必要だと判断したら、その時点から患者さん、家族に説明し、合意を得る。
*患者さんの疾患や状態の受け止め、自己決定の支援をチームで行う。
*退院後の生活をイメージし、必要な地域資源と連携を図る。

日本の医療費は健康保険で支払われるので、自宅に帰れるようになったら退院するというルールがあります。在院日数ざいいん にっすうnumber of days spent in hospital:患者さんが病院に入院している日数)が少ないので、とても急ぐ場合もあります。それでも丁寧に上のようなプロセスをたどり、患者さんや家族が地域に戻れる「安心」を作っていくことが大切な支援になります。

では、ここで問題です。

問題 85歳の女性。共働きの息子夫婦と同居し、日中は一人で過ごしている。白内障があり、視力は0.3程度である。階段でつまずき、転倒し、大腿骨頸部骨折を起こし、人工骨頭置換術を受けた。看護婦が訪室すると、「歩く練習を頑張っているからもうすぐ自宅に帰れると楽しみにしていたのに、さっき息子が来て、家でひとりにしておくのが心配だからしばらく施設に入って欲しいって、まだ自分でできないこともあるから何も言えなかったけど、なんだかとても惨めな気分」と話し、肩を落としている。
患者の退院計画を立案するに当たり、最も重要となるのはどれか。

1. 住宅改修の意思があるのか息子に確認する。
2. 本人と息子夫婦とが話し合う場を作るよう提案する。
3. 自宅での生活の仕方を本人に確認する。
4. ソーシャルワーカーを紹介し、入所先を相談する。

第90回看護師国家試験 午後問題27改訂

本日はここまで。また、明日。