【看護国試】ふりかけをかけたご飯を,「アリがたかっているから食べられない」と訴えるレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の人への対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

みなさん、こんにちは。 お元気ですか?

今日で10月も終わりです。 明日から11月です。 
国家試験まで、あと3か月と2週間ですね。どうですか?
えッ、「言わないでください」と? わかりました。

では、先週の問題の答から

問題 ふりかけをかけたご飯を,「アリがたかっているから食べられない」と訴えるレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の人への対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1.落ち着いて口に入れてみることを勧める。
2.「アリはいません,おなかが空くので食べてください」と促す。
3.「お好きなものがありましたよ」と好物を示して食事を勧める。
4.通常のご飯に取り替えて,「もう大丈夫でしょうか」と食事を勧める。
5.「おなかが空いていないのなら,無理して食べなくてもいいですよ」と下膳する。

第27回介護福祉士国家試験 問題84

 

解答 4
解説
「ふりかけ」を知らない人がいましたか? ふりかけはこちら↓

http://www.surugaya-nori.co.jp/item_01/furikake.html外部リンク

1.(×)アリがたかっていると思い込んでいる相手に、それを口にさせるのは酷(「こく」:ひどいという意味です)。
2.(×)本人は目の前のご飯を見てアリがたかっていると信じ込んでいるため、目の前にふりかけご飯(本人にとってはアリご飯)がある以上、介護者に「アリはいません」といわれても安心できない。
3.(×)目の前にある「アリがたかっているご飯」が気になっているはずなので、まずはこれをどうにか対処する必要がある。
4.(〇)ふりかけご飯はアリがたかっているように見えてしまうので、諦める。その上で、普通の白いご飯を用意するなどして、本人に気持ち良く食べてもらうことが大事。
5.(×)おなかが空いていないのではなく、「アリがたかっているご飯」が食べたくないだけ。

今日は認知症の中核症状と周辺症状について説明します。
認知症の症状には「中核症状」と呼ばれるものと、「BPSD(行動・心理症状)」と呼ばれるものがあります。かつてBPSDは、中核症状に対して「周辺症状」と言われてきましたが、近年は「BPSD(行動・心理症状)」という名称が一般的になりつつあります。

「中核症状」は脳の神経細胞が壊れることによって、直接起こる症状です。
直前に起きたことも忘れる記憶障害、筋道を立てた思考ができなくなる判断力の障害、予想外のことに対処できなくなる問題解決能力の障害、計画的にものごとを実行できなくなる実行機能障害、いつ・どこがわからなくなる見当識障害、ボタンをはめられないなどの失行、道具の使い道がわからなくなる失認、ものの名前がわからなくなる失語などがあります。
認知症になれば誰にでも、中核症状が現れます。

一方、周囲の人との関わりのなかで起きてくる症状を「BPSD」といいます。BPSDは「認知症の行動と心理症状」を表わす英語の「Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia」の頭文字を取ったもの。暴言や暴力、興奮、抑うつ、不眠、昼夜逆転、幻覚、妄想、せん妄、徘徊、もの取られ妄想、弄便(ろうべん:うんちをいろいろなところにくっつけたりする不潔行為)、失禁などはいずれもBPSDで、その人の置かれている環境や、人間関係、性格などが絡み合って起きてくるため、人それぞれ表れ方が違います。
ケアの仕方で表れ方が違うのがBPSDです。だからこそ地域密着サービスで「認知症対応型通所介護」「認知症対応型共同生活介護」が存在しています。介護者が対応に苦慮する多くは、中核症状よりもBPSDです。

弄便↓

http://blog.livedoor.jp/harume2014ahaha/archives/1039690733.html外部リンク


経験ありますか?

では、問題です。 介護福祉士国家試験にいい問題がありました。
やってみてください。

問題 認知症(dementia)の中核症状として、正しいものを1つ選びなさい。
1.判断力が低下する。
2.不安な状態が続く。
3.抑うつ状態が続く。
4.介護者に暴力をふるう。
5.忘れたことを自覚している。

第25回介護福祉士国家試験問題77

本日はここまで。また、明日。