【看護国試】第101回 訪問看護ステーションついて正しいものはどれか。~介護保険認定があっても医療保険での訪問看護が行われる場合~

みなさん、こんにちは。
先日、学習会の時に寒そうにしている候補者がいたので、「ジャケットの下に何着ているの?」と中を見せてもらったら何とTシャツ1枚でした。この間もいいましたが、薄着をしないでください。長袖の下着を着てください。みなさんは2月19日まで風邪をひくことはできない身の上です。以前、ある候補者が1月にひどい風邪をひいて、おまけにアレルギーがあったので風邪薬を飲むことができず、だんだん悪くなり、入院して点滴をすることになったんです。風邪は治りましたが、いまいち健康とはいえない状況(疲れやすいとか、食欲がないなど)で勉強も十分にできず、国家試験を受けることになりました。合格できる力があった人ですが、不合格となり、帰国しました。ということで、温かくしてね。

では、金曜日の問題の答から

問題 訪問看護ステーションついて正しいものはどれか。
1.訪問滞在時間によって介護報酬は異なる。
2.2時間を超える訪問看護の提供は、1時間の報酬を滞在時間をかけて算出すればよい。
3.単位数が不足しているので、20分のみの訪問看護を週1回受けている。
4.ケアマネジャーから「1時間以上1時間30分以内」での依頼をしてきたが、30分で可能なため、30分での訪問を行っている。

オリジナル問題

解答解説
解答 1
解説
1.(〇)
2.(×)基本的に訪問看護では長時間滞在は報酬設定にない。オプションまたは時間を2つに区切っての提供を検討する。
3.(×)20分未満の訪問は、「週に1回以上、20分以上の保健師又は看護師による訪問を行った場合算定可能である」とされている。
4.(×)ケアマネジャーの依頼の目的や行ってほしい看護項目での時間を考えたはず。勝手に変更せずに連携をとり、必要であればサービス担当者会議の開催も検討していただくことが望ましい。

今日は「介護保険認定はあるが、医療保険での訪問看護が行われる場合」についてです。
簡単に言えば、「医療的に重たい、急性期の場合」です。
①末期の悪性腫瘍、神経難病等厚生労働大臣が定める疾病
②急性増悪期の特別指示の期間 14日間
これらの状態の時には、介護保険医療保険訪問看護を同時に利用することはできません。医療保険での訪問看護を利用する時には、介護保険のように支給限度額がありません。医療が必要な時、生命にかかわることです。安定している時ではないので、医療保険で必要なケアをしていくことになります。

医療保険による訪問看護の利用対象となる疾患とは以下の疾患や状態です。●末期の悪性腫瘍 ●多発性硬化症 ●重症筋無力症 ●スモン ●筋萎縮性側索硬化症脊髄小脳変性症ハンチントン病 ●進行性筋ジストロフィー症 ●パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージⅢ以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る)) ●多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群) ●プリオン病 ●亜急性硬化性全脳炎 ●ライソゾーム病 ●副腎白質ジストロフィー ●脊髄性筋萎縮症 ●球脊髄性筋萎縮症 ●慢性炎症性脱髄性多発神経炎 ●後天性免疫不全症候群 ●頸髄損傷 ●人工呼吸器を使用している状態

②特別訪問看護指示書とは、利用者(患者)の容態の急激な悪化(急性増悪)、終末期、退院直後などの場合に主治医の判断に基づき、週4回以上の訪問看護を14日以内利用することを認める際に発行する書類です。特別訪問看護指示書に基づき訪問看護師がケアを提供していきます。気管カニューレや真皮を超える褥瘡(じょくそう)のある人は月に2回まで特別訪問看護指示書の交付が可能となります。

熱中症になり毎日点滴が必要になってしまった・肺炎で頻回の吸引が必要だけど入院はしない・家族ではケアが困難な褥瘡で、集中してケアする必要がある等、急性期、重度の場合です。医師から直接指示をいただく場合もありますが、訪問看護師が状態を報告して指示をいただくこともあります。このような状態の時には、ケアマネジャーにも適切な情報提供を行います。医療職でないケアマネジャーにとっては、訪問看護師が頼みの綱(日本では『苦境のなかで、頼りになる人や物のこと』をこのような言い方をします)です。他のサービスとの調整や別のサービスへの切り替えを行うための判断の根拠になります。
こんなに状態が悪いのに、デイサービスに行く…なんてことが無いようにしたいですね。

では、問題です。

問題 63歳の女性。末期の悪性腫瘍で在宅療養となった。公的保険で受けられるサービスで正しいのはどれか。
1. 訪問看護医療保険の対象となる。
2. 訪問看護の回数は週3回に限られる。
3. 訪問看護の回数は1日1回に限られる。
4. 介護保険によるサービスは受けられない。

第99回看護師国家試験 午前問題48

本日はここまで。また明日。