【看護国試】第106回 Aさん(38 歳、男性、会社員)。両親と3人暮らし。25 歳のころに双極性障害と診断された。3か月前から気分が落ち込み夜も眠れず、食欲もなくなり仕事を休むことが多くなってきた。無力感を感じるようになり、休職して精神科病棟に任意入院した。入院後は1日中ベッドで横になって過ごし、他の患者との交流もみられない。看護師が話しかけても簡単な返事をするだけで無表情である。食事は病室で摂取しており、摂取量は少ない。

みなさん、こんにちは。お元気ですか。

先日、今年の国家試験に合格したEPA看護師さんが候補者におみやげを持って学習会に来てくれました。
その人はイスラームなので、朝5時に起きて、そのあと2時間くらい勉強してから仕事をしていたんですって。
夜は早めに眠っていたんですね。勉強の時間や方法は人によって違います。
教えてもらった方法が、自分にあっているということはないかもしれないです。
しかし、「月~金曜日は仕事で疲れて勉強せず、土日は遊びに行く」ということはどうでしょうか。
勉強している人もしていない人も同じ時間を持っています。自分の心と時間をマネージメントしてがんばって。

では、今日は精神看護学の状況設定問題です。

次の文を読み109~111 の問いに答えよ。
Aさん(38 歳、男性、会社員)。両親と3人暮らし。25 歳のころに双極性障害と診断された。3か月前から気分が落ち込み夜も眠れず、食欲もなくなり仕事を休むことが多くなってきた。無力感を感じるようになり、休職して精神科病棟に任意入院した。入院後は1日中ベッドで横になって過ごし、他の患者との交流もみられない。看護師が話しかけても簡単な返事をするだけで無表情である。食事は病室で摂取しており、摂取量は少ない。

問題109
入院後1週が経過した。Aさんはベッドに横になりじっと窓を見つめていることが多くなった。看護師が何をしているのか話しかけると、Aさんは「死にたいと思っている」と答えた。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
1 話題を変える。
2 気分転換を促す。
3 すぐに良くなると励ます。
4 自殺しないことをAさんに約束してもらう。

第106回 看護師国家試験 午前問題109

これはわかりましたか?
難しかったようですね。
「1」 の話題を変えても、「死にたいと思っている」ので、効果がないのでは。
「2」 の気分転換を促すということが、意外に多かったですが、これも一時的なもので、「死にたいと思っている」気持ちは同じです。
「3」 は「励ます」が入っています。「励ます」は間違いの答であることが多いですと学習会でいいました。励ますともっと死にたくなっちゃうかもしれませんね。
「4」 この中で一番いいのは「自殺しないことをAさんに約束してもらう」です。「決して自殺をしないでください」と約束してもらい。徐々に薬が効いてきますので、その時まで、注意して看護します。

国家試験が終わった後、みんなで答合わせをしたんですが、あまりいい点数がとれていなかったので、「死にたい」といっている候補者がいました。周囲の人々は「死なないで」といった後に「自殺しないと約束してください」といい、みんなで笑いました。「死にたい」といった人は合格しました。本当によかったです。
明日は休日ですが、勉強をお忘れなく。
そして、緑を楽しんでください。