【看護国試】第106回 頭部CTの結果、高血圧性脳出血と診断され、集中治療室に入室した。入室時にはジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30。体温37.0℃、呼吸数16/分、脈拍82/分、血圧154/110 mmHg。入室から8時間後、体温37.2℃、呼吸数18/分、脈拍50/分、血圧208/106 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%になり、呼びかけと痛み刺激に開眼しなくなった。

みなさん、こんにちは。 勉強を続けていますか。
この間、今年国家試験に合格した人に会ったのですが、その人は先輩で看護師として働いている人の「まね」をしたといっていました。「勉強のスタイルも、生活のスタイルも全部まねをして、先輩のように合格する」と思っていたそうです。合格を目指す人は合格した先輩のまねをするといいかもしれません。遊んじゃっている友だちのまねをするのはどうでしょうか。えッ、もうまねしちゃってんですか。まー。
では、昨日の問題の答から
「救急車で運ばれてきた患者さんは声をかけても、痛み刺激を与えても反応しませんでした。この人の意識レベルをジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉ではどれくらいですか?」
答は「Ⅲ-300」です。JCSを忘れちゃった人はこちらで確認してね。↓

http://dr-guide.net/igaku/%E6%84%8F%E8%AD%98%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%A8%E3%81%AF/外部リンク

本文に入ります。

問題116
頭部CTの結果、高血圧性脳出血と診断され、集中治療室に入室した。入室時にはジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30。体温37.0℃、呼吸数16/分、脈拍82/分、血圧154/110 mmHg。入室から8時間後、体温37.2℃、呼吸数18/分、脈拍50/分、血圧208/106 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%になり、呼びかけと痛み刺激に開眼しなくなった。
このときのAさんの状態はどれか。
1.低酸素脳症
2.脳圧亢進症状
3.髄膜刺激症状
4.正常圧水頭症

第106回 看護師国家試験 午前問題116

これは、答だけではなく、専門用語を知る必要がありますね。

1 低酸素脳症ていさんそ のうしょうhypoxic ischemic encephalopathy)は血液の流れが悪くなり、脳に血液がいかなくなり、脳の酸素が不足して、意識障害などが起こります。生まれたばかりの赤ちゃんが泣かなかったりすることがあるでしょう?あれも一時的な低酸素脳症のひとつです。

3 髄膜刺激症状ずいまく しげきしょうじょうsyndrome of meningeal irritation, meningism
これは脳出血髄膜炎の時に見られる症状です。図がありますので↓を見てくだしさい。↓
https://www.kango-roo.com/sn/k/view/3350外部リンク

4 正常圧水頭症せいじょうあつ すいとうしょうnormal pressure hydrocephalus)は脳に髄液(ずいえき)がたまって脳を圧迫するようになります。↓

http://www.akita-noken.jp/pc/patient/disease/section3/id80.php外部リンク

この患者さんは低酸素脳症にしては、SpO2 97%ですし、髄膜刺激症状のことは問題に書いてありませんし、正常圧水頭症意識障害という患者さんの症状にあっていません。
よって、答は「2」脳圧亢進症状のうあつこうしん しょうじょうintracranial pressure)です。血圧も高いですし、意識レベルも悪くなっています。
脳圧亢進症状というのは頭蓋内圧亢進症状ずがいないあつ こうしんしょうじょう)ともいいます。こちらで確認をしてください。↓

https://www.kango-roo.com/sn/k/view/2153外部リンク

専門にかかわる言葉は、一度自分の国の参考書やインターネットで調べてまとめておくのがいいかもしれません。
では、また明日。