【看護国試】第106回 看護師国家試験の新出題基準

みなさん、こんにちは。看護師国家試験の新出題基準は見ましたか?
少しずつ、来年に向かっていろいろな準備がされているようです。
今日はその話をします。

その前に「廃用症候群を説明してください」という昨日の問題を説明します。
廃用症候群はいよう しょうこうぐんdisuse syndrome)は安静状態(寝たきり)などが続くことによって身体と心の機能が低下することです。
■筋肉はどうなりますか。小さく硬くなります。それを「筋委縮(きんいしゅく)」といいます。
■関節は動きにくくなり、そのまま固まってしまうことがあります。それを「関節拘縮」といいます。
■皮膚は褥瘡が起こります。
骨粗鬆症が起こります。
■便秘や便や尿の失禁が起こります。
■精神的にも悪い影響を及ぼし、やる気がなくなったり、抑うつ状態になったり、認知症が起こったりします。
廃用症候群

http://www.sibakiyokango.net/entry/2016/01/04/140554外部リンク

これも日本語でスラスラいえるようにノートにまとめておいてくださいね。

では、出題基準の話をします。みなさんは出題基準を持っていますか?みなさんはJICWELSの英語やインドネシア語に訳されたものを持っているかもしれません。
厚生労働省から新しい出題基準が発表になりました。↓

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10803000-Iseikyoku-Ijika/0000158947.pdf外部リンク

けっこう、いっぱいありますよね。一部を紹介します。

必修問題
■検査の数値(血液学検査 血液生化学検査 免疫血清学検査 尿検査)の評価⇒ただ、基準値を知るだけでなく、それが何を示しているのかを考える問題になるらしいです。
■輸血や輸液の刺入部位の観察 輸液ポンプ シリンジポンプの管理 点滴静脈内注射 輸液など⇒輸血や輸液はみなさんの国でも行っていると思いますが、日本のやり方をしっかり知っておく必要があります。病棟にでたときに輸液ポンプのやり方は一度必ず見ておいてください。
■倫理(りんり) 看護師等の役割⇒看護の倫理というのは、守秘義務だけではありません。患者の意思を尊重することや看護師自身の正しい行いとは何かということも問われるらしいです。
■それから、退院調整 他職種との協働ということで、いろいろな職種の人々との協力についての問題もでるらしいです

人体の構造と機能
細胞分裂(染色体の複製と有糸分裂 減数分裂
■アシドーシス アルカローシスなどを含めて身体をコントロールする機能についての問題が出るそうです。

疾病の成り立ちと回復の促進
再生医療、薬剤耐性、血圧の異常やショックの種類と診断治療、など、深い問題が出るようです。

社会保障制度
■カタカナ言葉が増えます。フォーマルサポート インフォーマルサポート マイナンバー制度 ポピュレーションアプローチ ハイリスクアプローチなど。

基礎看護学
■項目的には「活動と運動を促す援助」となっていますが、この中には体位変換 歩行時の援助 車いすへの移乗 ストレッチャーでの移送などが入ります。

成人看護学
■経過別看護あるいは健康問題別看護を重要視するそうです。急性期の看護 慢性期の看護 リハビリテーション がん患者の看護 終末期の看護などです。もちろん疾病も一緒に問題に出ます。

高齢者看護学
■カタカナ言葉が出ています。エンパワメント ストレングスモデル ライフレビュー コンフォート理論などが小項目に入っています。
■また、ここでも経過別に「介護予防」「急性期」「慢性期」「回復期」「エンド オブ ライフ ケア」などにわけられて、経過別に看護を考えさせる問題が出そうです。

小児看護学
■これも経過別看護に視点をあてているようです。「急性期」「慢性期障害」「終末期」などがポイントになりそうです。
■また、子どもが入院した時に家族に与える影響と看護ということで「プレパレーション」があげられています。
■学童期・思春期の健康問題もあります。日本の問題(不登校 いじめ 虐待 自殺)もよく知っておいた方がよさそうです。

母性看護学
■リプロダクティブヘルス ウイメンズヘルス 妊娠 分娩 産褥 早期新生児 周産期医療システム

精神看護学
■小項目に「レジリエンス」が出ていました。これはいろいろな訳があるのですが、忍耐力 抵抗力 回復力という意味で使われています。身体ではなく、精神または心の強さのことです。ストレスに簡単に負けない、早く立ち直れるという力です。精神疾患においては薬だけでなく、そうした心の強さをトレーニングすることが必要なのではないかという考え方です。精神看護学の学習会の時に説明していきたいと思います。

在宅看護論
■小児 認知症 精神疾患 難病の在宅ケアを整理しておいた方がよさそうです。

看護の統合と実践
■母性+精神のように産後うつなど、ふたつの分野にまたがる問題もでる可能性があるようです。
■災害と看護 国際化と看護も項目にあがっていました。

ということで、かなり広く深く学習しなければならないらしいです。
今からならまだ、間に合うと思います。1日3時間ずつ勉強する必要があるかも。
がんばっていきましょう。
28日(日)は秋葉原キャンパスで病態生理学の授業があります。
よい週末を。