新出題基準の変更・追加された点の問題と解説④:看護国試!電解質バランスについて

今回は人体の構造と機能の電解質バランスです。





第99回
水・電解質の調節で正しいのはどれか。
1. 循環血漿量の減少はレニンの分泌を増加させる。
2. 抗利尿ホルモン〈ADH〉は尿浸透圧を低下させる。
3. 過剰な飲水は血中ナトリウム濃度を上昇させる。
4. アルドステロンは腎からのカリウム排泄を減少させる。





解説

1. レニンは腎臓の糸球体付近にある傍糸球体細胞から分泌されるホルモンです。ホルモンが分泌されるときには、必ず分泌される理由があります。よく講義中に「分泌されるきっかけ」や「分泌刺激」と説明しているあれです。

ホルモンの勉強では、①分泌刺激②何が③どこから④どうなるを意識してもらいたいです。
具体的には、


①分泌される理由は何か
②ホルモンの名前
③分泌される場所
④ホルモンが作用するとどんな効果をもたらされるか


レニンの場合、②がレニン、働きは「血圧を上げる」ということを知っている方は多いです。これが④にあたります。

①の分泌刺激は「効果は血圧を上げる」なのだから、「血圧が下がったときに分泌?」とつながるでしょうか?同じことなのですが、より具体的には「血管内を流れている循環血液(血漿)量の減少」がレニンの分泌を促されます。

循環血液(血漿)量の減少によってレニンが分泌されと、アンギオテンシンⅡが末梢血管の収縮させたり、アルドステロンの分泌を促したりすることで血圧を上昇させます。◎

2. 抗利尿ホルモンは、バソプレシンやADHと呼ばれるホルモンです。これが②。

④は腎臓の遠位尿細管に作用して、血管内に水の再吸収を行い、尿浸透圧を下げます。浸透圧とはそのものの濃さ。尿から水分を抜きとるということは尿が濃くなるということです。血管内に水分を戻すということで、血圧を上げることになります。そして、血液(血漿)の濃さが薄くなります。

③は下垂体後葉です。後葉から分泌されるホルモンはこれを含めて二つでしたね。
抗利尿ホルモン(バソプレシン、ADH)は尿浸透圧を上昇させ、血漿浸透圧を低下させます。×

3. 体液量や電解質濃度は、食事摂取量などの変化にもかかわらず、主に腎臓によって正常範囲内に維持されています。これをホメオスタシスといいます。

ラーメンなどのしょっぱい物を食べると、喉がかわいて水を飲みたくなりませんか?その理由は、血漿浸透圧を一定に保とうとして、身体が水分を要求するためです。これは視床下部にある水分調節中枢が浸透圧や細胞外液量を感知しているためです。

なので、過剰な飲水によって血液中に水分が入ってくると、血中ナトリウム濃度は低下します。×

4. カリウムは、ナトリウムが遠位尿細管で再吸収されるのを防いで排泄を促します。そのため、減塩できない方は、カリウムを多めに摂取して血圧を安定させる方法があります。

アルドステロンは腎の遠位尿細管からナトリウムの再吸収をし、代わりにカリウム排泄を促しています。×