【看護国試】第106回 Aさんには有害事象はみられなかったが、医師の指示書の2倍のノルアドレナインが3時間投与されていた。これは、医師がノルアドレナリンノルアドレナリンの減量を指示書に記載し、夜勤の担当看護師にそれを伝えたが、担当看護師が実際に減量することを忘れたことが原因だった。病棟ではリスクマネジメントとしてこの出来事の再発防止策を考えることになった。

みなさん、こんにちは。
今日はフィリピン人看護師さんからのメッセージがあります。

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みなさんこんにちは、お元気ですか。6月も終わりになりました。日本では全国的には梅雨時期ですね。天気はぐずついても、心は晴れやかに、元気に過ごしていきましょう。
さて、みなさん、フィリピンでは6月は環境月間(PHILIPPINE ENVIRONMENT MONTH)です。毎年6月5日に祝われる世界環境デー(WORLD ENVIRONMENT DAY)に合わせて行われます。数年前のテーマとして“GREEN ECONOMY, DOES IT INCLUDE YOU?”(グリーン経済、それはあなたを含みますか?)ということでした。これは生分解性のがあるものの使用を勧めています。生分解性は微生物で分解されることです。今ではプラスチックも生分解性のものがたくさんあります。
この時期には色々なところでパレードやミサを行います。それから木を植えたり、マングローブプランテイング(TREE AND MANGROVE PLANTING)、海や川をきれいにします。(COASTAL, RIVERBANK CLEANUP)気候変動対策のためのキャンペーンも行います。この取り組みは人々に自然に対する感謝を示す活動です。今年のテーマは“CONNECTING PEOPLE TO NATURE”(人々を自然につなげる)、タグラインは“I’M WITH NATURE”です。たくさんのところで様々な環境活動が行われています。展覧会やセミナーを通じて環境の重要性に対する意識を高めることを目的としています。それから6月24日は全国的に水のあるところの掃除日となっています。これもみんなでやります。みなさん個人できれいな環境、気候変動の対策のためにできることいっぱいあると思います。ぜひ、毎日の生活で意識して、過ごしましょう。それでは引き続き、勉強も頑張りましょう。

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では問題です。

Aさんには有害事象はみられなかったが、医師の指示書の2倍のノルアドレナインが3時間投与されていた。これは、医師がノルアドレナリンノルアドレナリンの減量を指示書に記載し、夜勤の担当看護師にそれを伝えたが、担当看護師が実際に減量することを忘れたことが原因だった。病棟ではリスクマネジメントとしてこの出来事の再発防止策を考えることになった。

再発防止策で適切なのはどれか。
1.薬剤に関する研修会を企画する。
2.医療機器の操作方法を再教育する。
3.インシデントを起こした看護師は反省文を書くこととする。
4.医師の指示内容の変更時は、複数の看護師で情報共有をする。

第106回 看護師国家試験 午後問題114

この医療過誤(いりょう かご)がもう一度起こらないようにするにはどうしたらいいんでしょうか。
ということが再発防止策です。

患者さんにナンニモ変化がなかったから、いいというものではないですね。
これは、大きな問題です。

1.(×)薬剤に関する研修会を企画する。
    薬剤の作用や副作用に関しての勉強会を開くということですが、これはよさそうに思いますが、問題は、看護師がアドレナリンの減量を忘れたことが問題です。直接的な解決策ではありません。

2.(×)医療機器の操作方法を再教育する。
    医療機器の操作ミスの問題ではありませんね。看護師が看護師がアドレナリンの減量を忘れたことが問題なので。

3.(×)インシデントを起こした看護師は反省文を書くこととする。
「反省文(はんせいぶん)」は、業務上のミスを犯した場合や、病院内で迷惑行為やトラブルを起こしたりした場合に、病院へ提出する謝罪文(しゃざいぶん)です。つまり、病院に対して「ごめんなさい」と謝る目的で書く文章なのです。「私は、○○を起こし、病院にご迷惑をおかけしました。大変申し訳ございませんでした。(ごめんなさい)」という内容を書きます。
みなさんの国には、「反省文」というものはありますか?
「インシデントレポート」は、「同じことを繰り返さない」目的で情報共有するという意味があるものです。しかし、「反省文」は個人の責任を問うものであり適切ではありません。
反省文を書いても、看護師も人間なので同じような間違いをするかもしれませんね。

4.(〇)医師の指示内容の変更時は、複数(ふくすう:二人以上のことです)の看護師で情報共有をする。
与薬に関する間違いで頻度が高いのは、過量投与と過少投与です。薬剤の過量投与(薬剤量が多すぎる投与のこと)は患者に重篤な副作用をまねきやすい。指示量の確認は、ダブルチェックを行います。ひとりでチェックせずに、二人でチェックします。異なる視点から見ることで間違えを発見したり、確認する回数を増やすことで、間違える確率を減らすことができます。

よって「4」が正解です。
では、ここで問題です。

本日はここまで、また、明日。