【看護国試】第106回 Aちゃん(6歳、女児)は左上腕骨顆上骨折と診断され、牽引治療のために入院した。医師からAちゃんと家族に対し、牽引と安静臥床の必要性を説明した後、弾性包帯を用いて左上肢の介達牽引を開始した。

みなさん、こんにちは。
さて、「強迫観念(きょうはく かんねん)」ということばがあるでしょう?
手が汚いように思えて、ずっと手を洗っている患者さんや、「ガスを止めたか」「鍵をかけたか」と気になり、仕事に行こうとしても、すぐ戻って確認したくなっちゃうというようなことです。
それを「きょうぱく かんえん」と読んでいる人がいます。「切迫流産」の「迫」をイメージしたんでしょうか。でも「かんえん」て何ですか?「肝炎」ですか?
それから、「きょうあつ かんねん」と読んでいる人もいます。「圧迫」の「圧」の方をイメージしましたか。
専門用語は難しいものもありますが、正しく読めると、暗記しやすいです。
それは看護師国家試験でも必要ですが、看護師になってから「きょうぱく かんえん」「きょうあつ かんねん」といったりすると同僚から「えッ、何ですか?」と質問されます。ひらがながふっている本もありますので、がんばって正しく読んでいきましょう。

では、今日の一般問題です。

Aちゃん(6歳、女児)は左上腕骨顆上骨折と診断され、牽引治療のために入院した。医師からAちゃんと家族に対し、牽引と安静臥床の必要性を説明した後、弾性包帯を用いて左上肢の介達牽引を開始した。
Aちゃんに対する看護で適切なのはどれか。
1 食事を全介助する。
2 左手指の熱感を観察する。
3 抑制ジャケットを装着する。
4 1日1回は弾性包帯を巻きなおす。
5 痛みに応じて牽引の重錘の重さを変更する。

第106回看護師国家試験 午前問題80

左上腕骨顆上骨折(ひだりじょうわんこつ かじょうこっせつ)はわかりましたか?
牽引(けんいん)はわかりましたか? わからなかった人はこちら↓

https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/supracondylar_fracture.html外部リンク

介達牽引(かいたつ けんいん)というのはindirect tractionのことです。
skeletal tractionは直達牽引(ちょくたつ けんいん)のことです。
単語を知っておくと、国家試験で役に立ちます。


1(×) 食事を全介助する。
右手で食べられると思う。

2(×) 左手指の熱感を観察する。
熱感よりも、痛みや神経麻痺に注意します。

3(×) 抑制ジャケットを装着する。
抑制ジャケットは↓

https://ameblo.jp/daisukinatakaramono/archive1-201609.html外部リンク

6歳なので、牽引について説明するとわかります。
抑制ジャケットは必要ないです。

4(×) 1日1回は弾性包帯を巻きなおす。
弾性包帯(だんせい ほうたい)は↓
https://jp.depositphotos.com/1498940/stock-photo-elastic-bandage.html外部リンク
ゴムが入っているので、普通の包帯よりも固定しやすいです。
介達牽引なので、包帯がゆるんだり、ずれたりする可能性があります。また、1日1回は皮膚の状態を確認する必要があります。

5(×) 痛みに応じて牽引の重錘の重さを変更する。
重錘(じゅうすい)というのは↓のことです。

http://drmrt3.com/8-9057-08%E3%80%80%EF%BC%BB%E5%8F%96%E6%89%B1%E5%81%9C%E6%AD%A2%EF%BC%BD%E7%89%BD%E5%BC%95%E7%94%A8%E9%83%A8%E5%93%81%E3%80%80%EF%BD%92%E2%88%92%EF%BC%95%EF%BC%92%EF%BC%99%E3%80%80%E9%87%8D%E9%8C%98外部リンク


牽引の重りです。これは必要によってきめられているので、勝手に重さを変えることはできません。

本日はここまで。よい週末をお過ごしください。