【看護国試】第95回 全身の搔痒感が強く夜間覚醒することが多い高齢者の援助で適切なのはどれか。

みなさん、こんにちは。
今日はベトナム人看護師さんからのメッセージがあります。

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国家試験までもうカウントダウンが始まりましたね。勉強地獄(べんきょう じごく)から一刻(いっこく)も早く解放されたい半分、もうちょっと時間が欲しいと思う半分の心境でしょうね。勉強に集中したいのに試験まで素敵な秋の紅葉や年末のイベントなど季節の誘惑がいっぱい待ちかまえています。今の時期では遊びも勉強も両立できるのは到底難しいことですのでぜひ来年のために今年は誘惑に負けず、勉強にだけ集中しましょう。

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では、昨日の問題の答から

問題 全身の搔痒感が強く夜間覚醒することが多い高齢者の援助で適切なのはどれか。
1. 清拭には薬用石けんを用いる。
2. 化学繊維のパジャマを着用する。
3. 就寝前に保湿クリームを塗布する。
4. 室内湿度は30~40%を保つ。

第95回看護師国家試験 午前問題108


解答 3
解説
1. (×) 清拭には薬用石けんを用いる。
老人性皮膚搔痒症の原因が皮膚の水分や皮脂が減少することにある。薬用石けんの使用は、さらに皮脂を取り除き、乾燥させて悪化を招く。
2. (×) 化学繊維のパジャマを着用する。
直接肌に身につけるものは、化学繊維より天然繊維の方が皮膚刺激が少ないので良い。
3.(○) 就寝前に保湿クリームを塗布する。
夜間睡眠時の体温上昇や、乾燥が増すことで搔痒感が強まるので、保湿クリームを塗布して休むとよい。
4.(×)室内湿度は30~40%を保つ。
室内の乾燥は皮膚の乾燥を強めて増悪させるので、湿度は50~60%に保つ。

今日はリハビリテーションについて説明します。
最近は多くの高齢者が全身麻酔で手術をうけています。
また、内科的な病気でも安静にする必要があります。
そうなると、たちまち高齢者の身体の機能が低下します。
身体の機能を回復させるためにリハビリテーションが必要です。

高齢者リハビリテーションは、高齢者特有の特性を理解して、リハビリテーションを行う必要があります。
 高齢者では、身体的および精神的な機能の回復を最大限に図り、可能な限り独立して生活しうる能力を取り戻すことが目標となります。
高齢者リハビリテーションでは、
①寝たきりや要介護状態を予防する予防的リハビリテーション
②疾病の治療とともに早期に開始される急性期リハビリテーション
③急性期から機能回復を目指した回復期リハビリテーション
④地域と連携する維持期リハビリテーション
など高齢者ならではのリハビリテーションがあります。

在宅の利用者さんからの話です。変形性膝関節症で長い間痛みがあり、ついに医師から手術を勧められました。人工膝関節置換術です。手術は成功したのですが、「床からの立ち上がりはなるべくしないようにしてください」「順調に歩くことが出来るための手術です。人工関節を傷めないように長持ちさせましょう」と言われたそうです。
椅子の生活があまり好きではなく、床の間のある畳の部屋で座布団を使って座る生活をしていました。利用者さんは、畳をフローリングにし、テーブルと椅子の生活になりました。「畳の香りが好きだったの」「床の間に花を活けることがなくなってしまった」と言っていました。

疾患の治療のために、関節がかたくなったり、筋力低下を引き起こし、かえって生活機能低下をもたらすことがあります。疾患は治ったが自宅での自立した生活ができなくなるということは、高齢者にとっては困ったことになります。
 そのためには高齢者のQOL(生活の質)の向上・自立した生活を送ることを目標としていくことが必要です。

また、脳血管疾患、転倒骨折予防などを予防するためのリハビリテーションも、高齢者にとっては大切なリハビリテーションになります。

ここで問題です。

問題 Aさん(78歳、女性)は、脳梗塞を発症し入院治療した後、回復期リハビリテーション病棟に転棟した。担当の理学療法士は、Aさんは早く自宅に帰りたいと熱心に歩行練習をしていると話していた。転棟後、1週を経過したころから、Aさんは疲労感を訴えて病室で臥床していることが多くなった。理学療法後の血圧と脈拍とに変動はみられない。肝機能と腎機能とに異常はない。Aさん、看護師および担当の理学療法士で検討する内容として最も適切なのはどれか。
1. 運動強度の軽減
2. 家事動作練習の追加
3. 翌日の理学療法の中止
4. 病棟での歩行回数の増加

第101回看護師国家試験 午後問題64

23日(日)は秋葉原キャンパスで病態生理学の学習会があります。

学習会で会いましょう。 よい週末を。