【看護国試】第97回 Aさん、68歳の女性。71歳の夫と長男夫婦、95歳の寝たきりの義母の5人暮らし。3か月前に脳出血を発症し、入院治療を経て自宅に退院した。嚥下障害のため胃瘻を造設し、頻回に口腔内吸引が必要である。排泄はおむつを使用している。Aさんの介護認定は申請中で、介護は主に夫が行う予定である。要介護5の義母の介護は長男の妻が行い、週1回の訪問看護と入浴サービスを利用している。

みなさん、こんにちは。
寒くなってきましたね。 みなさんのプライバシーに立ち入るつもりはありませんが、意外に薄着の人がいます。
ジャケットを着ているんだけど、日本の冬用の下着を着ていないので、暖かさが十分でないようです。
寒い時は暖かい下着を着ることが大事です。 ↓

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それほど高くないです。2~3枚買った方がいいと思います。
国家試験前には「寒くて風邪ひいた」ということがないようにね。

では、昨日の問題の答から

問題 Aさん、68歳の女性。71歳の夫と長男夫婦、95歳の寝たきりの義母の5人暮らし。3か月前に脳出血を発症し、入院治療を経て自宅に退院した。嚥下障害のため胃瘻を造設し、頻回に口腔内吸引が必要である。排泄はおむつを使用している。Aさんの介護認定は申請中で、介護は主に夫が行う予定である。要介護5の義母の介護は長男の妻が行い、週1回の訪問看護と入浴サービスを利用している。
義母への訪問の際、夫から「介護する家族が増えてしまったのでどうしたらよいのだろうか」と看護師に相談があった。家族の介護力を評価するための情報で最も重要なのはどれか。

1. 夫婦の関係性
2. 義母の健康状態
3. 長男の介護意欲
4. 夫と長男の妻の健康状態

第97回看護師国家試験 午後問題61

昨日の解答解説
解答 4
解説  絵でも書かないと誰が誰だかわからない。こういう時は○をつけ、ジェノグラムを書いて整理しながら読みましょう。
1. (×) 夫婦の関係性
妻の介護に正面から向き合っている様子である。夫婦の関係性に問題があって介護に悪影響を及ぼすとは考えにくい。
2. (×) 義母の健康状態
義母は要介護5の認定を受けているので、既に介護が行われている。義母の健康状態によってはサービスを増やすことも考えられるが、介護力を大きく左右する要因にはならない。
3.(×) 長男の介護意欲
実際に長男は介護を行わないようである。介護を行う者の意欲を評価することが必要である。
4.(〇) 夫と長男の妻の健康状態
寝たきりの義母の介護をしていたと思われるAさんが要介護になってしまった。これからはAさんの夫がAさんの介護を行うが、夫だけでは出来ないこともたくさんあるだろう。すると長男の妻にかかる負担が大きくなることも予測される。この2人の健康状態が介護力を左右する。

今日は終末期の看護についてです。老年看護は「全員が長い期間のターミナルケア」(ロングターム・ターミナルケア)とも言われています。天寿を全うするという言い方が日本にはありますが、穏やかになくなる人もたくさんいらっしゃいます。穏やかな旅立ちの支援をするのも私たち看護師の大切な仕事です。

「もう年なんだから、この治療はいらないでしょ」「年齢的に…」というエイジズムは高齢者の人権侵害になります。
そうならないためにも、自分の意思、アドバンスディレクティブやリビングウィルを示しておくことは高齢者本人にも求められることです。

高齢者終末期ケアでは,一律に治癒を目標にすることではなく、より安楽にすること,本人や家族の希望に沿うことが求められます。いろいろな価値観が必要となります。そのためにも多職種間で関わり、ケア目標を共有します。

これからは「病院」以外で看取りが行われます。施設(介護保険施設グループホーム、有料老人ホーム等)や在宅で看取りをするようになっていきます。
<施設>
・通常の観察は介護職と看護職
・変化の予測は医療職である医師と看護職
・その他の専門職も各々の専門的視点から関わる(栄養士は食事摂取の状態、理学療法士は活動の状態等)
★目標を共有し、多職種が協調することで、高齢者本人の苦痛や家族の意向をいろいろな目で確認できます。

<在宅>
在宅での多職種連携で行われることとして、以下のようなことがあります。
高齢者の今の希望や死の迎え方の確認、ゴールを設定,高齢者の希望の実現をサポート、多職種連携チーム及び緩和ケアチームの編成・組織化、介護者が自信をもってケアできるようサポート、死別後のケアなどです。

「実家のお墓参りに行きたい」…そんな高齢女性が有料老人ホームで過ごしておられました。食事も摂れず水分がほんの少しずつです。有料老人ホームの車で実家のお墓に行きました。看護師、介護福祉士、医師も来てくださいました。
リクライニングの車椅子でお墓参りができました。桜の花が散っていて綺麗な春の日でした。
その2日後、とても穏やかに亡くなりました。
この高齢女性の希望を聞き取り、万全の準備をし、危険も含めて家族とも話をし、実現したお墓参りでした。

ここで問題です。

問題 死の恐怖を訴える終末期の高齢者へのケアで適切なのはどれか。
1. いつでも家族と会えるように配慮する。
2. 落ちこまないように励ます。
3. 睡眠薬の使用を検討する。
4. 楽しい話題で会話する。

第95回看護師国家試験 午前問題103

では、また、明日。