【看護国試】第106回 Aさん(53歳、男性、会社員)は1週間前から倦怠感が強く、尿が濃くなり、眼の黄染も見られたため近くの医療機関を受診し、黄疸と診断された。総合病院の消化器内科を紹介され、受診した。時々、便が黒いことはあったが、腹痛はなかった。既往歴に特記すべきことはない。来院時のバイタルサインは体温36.8℃、脈拍68/分、血圧134/82mmHgであった。

みなさん、こんにちは。
今日から第106回の看護師国家試験の解説をしていきます。 
その前にみなさんの先輩のフィリピン人看護師さんからのメッセージをお届けします。

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みなさん、こんにちは。お元気ですか。勉強は始まりましたか。仕事と勉強は大変ですが、頑張りましょう。
さて、みなさん、勉強の本を読んでも内容が入ってこない、勉強や仕事を進めたいのに周りの音が気になる、考えている時に他のことが頭に浮かんでしまうということはありませんか?こんな時に重要になるのが「集中力」です。そもそも集中力は持続力が短いものであり、みなさんが集中しない、(できない)ことにも意味があるのです。一般的に集中力には15分ごとの波があると言われています。例えば、学校の授業やテレビ番組のCMが入るタイミングなどは15の倍数で区切られているものが多くあります。この15分の倍数毎に休憩などを入れると、効率的に集中力をコントロールできるそうです。これを利用して、「45分集中して勉強し、15分休憩」というように、「集中」と「休憩」を使い分けることが集中力をコントロールするコツと言えます。
また、運動で集中力がアップできる方法もあります。例えば目の運動、目をグルグルする運動を聞いたことはありますか。眼球だけをゆっくり右下、左下、左上…と時計まわりに動かして2周してみてください。簡単に集中力をアップする効果が得られるそうです。試してみてください。また、脳の疲労を回復させるには十分な睡眠も重要です。集中力をアップさせて、やりたいこと、特に勉強をどんどん進めて行きましょう。

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さて、今回の看護師国家試験問題はわかりにくい問題がたくさんありました。
こんなに低い点数のボーダーラインはあまりないです。
どこがわかりにくかったのか、ひとつずつ考えていってみましょう。

では、みなさんが難しいといっていた、状況設定問題から振り返っていきましょう。

次の文を読み91~93の問いに答えよ。
Aさん(53歳、男性、会社員)は1週間前から倦怠感が強く、尿が濃くなり、眼の黄染も見られたため近くの医療機関を受診し、黄疸と診断された。総合病院の消化器内科を紹介され、受診した。
時々、便が黒いことはあったが、腹痛はなかった。既往歴に特記すべきことはない。来院時のバイタルサインは体温36.8℃、脈拍68/分、血圧134/82mmHgであった。血液検査のデータは、アルブミン4.2g/dl、AST(GOT)69 IU/L、ALT(GPT)72 IU/L、総ビリルビン14.6mg/dl、 直接ビリルビン12.5mg/dl、アミラーゼ45 IU/L、Fe27μg/dl、尿素窒素16.5mg/dl、クレアチニン0.78mg/dl、白血球9.200μg/dl、Hb11.2g/dl、血小板23万/μL、CRP2.8mg/dlであった。

問91 Aさんのアセスメントで正しいものはどれか。2つ選べ。
1 脱水がある。
2 閉塞性黄疸である。
3 膵炎を発症している。
4 急性腎不全を発症している。
5 鉄欠乏性貧血の可能性がある。

第106回 看護師国家試験午前問題91

まず、問題文ですが、「倦怠感があり、尿が濃くなり、眼の黄染(おうせん)もみられた」ということで、「ビリルビンが排泄されていないんじゃないかしら」と思うでしょう?
そうして、検査データを見ると「総ビリルビン14.6mg/dl、 直接ビリルビン12.5mg/dl」となっていてこの値は高いですよね?あたりです。では、基準値(きじゅんち)はどれくらいですか? 総ビリルビンは0.2~1.2mg/dl 直接ビリルビンは0.0~0.2mg/dlです。これはスラスラいえるようにしておいてね。ということでかなり高いですよね。まあ、黄疸が出ているんですからそうなりますよね。
それから、男性でHb11.2g/dlは低くないですか?ということは?そうです。「貧血があるんじゃないかしら?」と思うでしょう?

ここで答の予測がつきました。Aさんのアセスメントをしましょう。

1 脱水がある。(×):ナンニモ情報がありません。
2 閉塞性黄疸である。(〇)
3 膵炎を発症している。(×):まだ、情報がありません。
4 急性腎不全を発症している。:尿素窒素16.5mg/dl、尿は濃いですが出てい
ますよ。急性腎不全ではないです。
5 鉄欠乏性貧血の可能性がある。(〇)

これで、終わりにしてはいけないです。
ここで、閉塞性黄疸・鉄欠乏性貧血などの疾患についてまとめ、検査データを日本語で理解して、基準値を見直しましょう。
来年の合格を目指す人は今日から頑張りますよー。
では、また、明日。