【看護国試】第99回 39歳の女性。専業主婦。会社員である夫と16歳の長男との3人暮らし。子宮頸癌(ステージⅣ)で化学療法を繰り返してきたが、効果がなく疼痛コントロール目的で入院となった。本人は治療しないなら家に帰ることを強く希望している。臥床している時間が多いが、排泄時はベッドサイドのポータブルトイレを自力で利用可能である。

みなさん、こんにちは。
この間、勉強していない候補者がいました。「誕生日なので2日間、遊びに行ったんです」ということでした。この時期、遊びに行ってもいいのでしょうか。国の文化の違い、個人の考え方の違いがありますが、2日間勉強しないというのはどうでしょう?3年目の人は最後の国家試験です。自信を持って合格できるという人はほんの少しではないですか?誕生日は2月20日にお祝いしてもいいのでは?病院の看護部長さん、病棟の師長さん、受け入れ担当の人たちはナンニモいわないかもしれませんが、心の中では怒っているかもしれません。
11月25日~2017年2月19日までに誕生日がある方は是非とも2月20日に誕生日をやることを勧めたいです。

では、昨日の問題の答から

問題 39歳の女性。専業主婦。会社員である夫と16歳の長男との3人暮らし。子宮頸癌(ステージⅣ)で化学療法を繰り返してきたが、効果がなく疼痛コントロール目的で入院となった。本人は治療しないなら家に帰ることを強く希望している。臥床している時間が多いが、排泄時はベッドサイドのポータブルトイレを自力で利用可能である。
終末期が近づき医師から家族に病状が説明された。夫から「家で看取ってあげたいが、今後どうしたらいいかわからない」と相談があった。夫への対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1. 臨死期は救急車を呼ぶよう説明する。
2. 長男への病状の説明は控えるよう話す。
3. 家族にできるケアを行っていくことを勧める。
4. 妻と死について話すのは控えるように伝える。
5. 死に至るまでの予想される妻の様子を夫に伝えておく。

第99回看護師国家試験 午後問題93

昨日の解答解説
解答 3.5
解説
1.(×) 臨死期は救急車を呼ぶよう説明する。→ 家で看取ってあげたいと言っている夫に対して、相反する説明である。
2. (×) 長男への病状の説明は控えるよう話す。→ 長男は16歳であり、母親の病状を知る権利がある。死期が近づいていることを彼に理解できる言葉を選んで説明すべきである。
3.(○) 家族にできるケアを行っていくことを勧める。→ 終末期の妻に対して、夫や息子は何が出来るかがわからずにいる。どういったケアが可能か、どういう方法が良いかなどを説明する。
4. (×)妻と死について話すのは控えるように伝える。→ 本人に対して告知されているかという情報がない。しかし、現実は死期が近づいているのだから、あえて死の話題を避けるようなことはしない。
5.(○) 死に至るまでの予想される妻の様子を夫に伝えておく。→ 終末期や臨死期ではどういった変化がおこるかということを、夫にあらかじめ伝えておき、精神的な準備をしてもらう。死の準備教育を在宅でも行っていく。


今日は認知症と在宅看護についてです。
認知症の方を家庭で介護するには、認知症の方の状態に合わせて方法を選び、工夫していくことが大切です。
「かかわり方次第ですよ」と家族は指導を受けます。しかし、在宅では本当に大変な時があります。どんなに注意していても一瞬で出ていってしまう徘徊や、自分に攻撃されるけれど逃げるわけにはいかない状況…。家族も追いつめられてしまいます。
特に高齢者夫婦2人暮らしで、どちらかが認知症になった場合には、誰にも相談できずにいることがあります。介護殺人もこのような閉鎖された状況で発生しやすくなります。

看護師は、「健康管理だから」ということで比較的入っていきやすいメリットがあります。私もケアマネジャーとして初回訪問に伺ったことがありますが「保険屋なんていらない!出ていけ!」と追い出されました。一生懸命老後の資金で貯めたお金を持っていかれるという不安だったのでしょう。
幸いこの方は医師をとても信頼しており、「訪問看護師がいくからね」と医師が説明してくれました。そのため訪問看護師はケアに入ることを許され、同時に訪問した私のことも受け入れて下さいました。

最近テレビでも話題になっているユマニチュード、そろそろ国家試験に出てもいい時期かもしれません。見る、話す、触れる、立つというコミュニケーションの4つの手法を組み合わせて行うことです。具体的には「見つめながら会話位置へ移動する」「アイコンタクトが成立したら2秒以内に話しかける」といった150の手法があります。家族が対応に困っていたら、このような手法を実践し、お伝えすることもあります。ユマニチュードについては↓

https://ninchisho-online.com/archives/836/外部リンク

認知症の在宅療養者は、自分の体に起きていることを表現しないことがあります。大腿骨頸部骨折を発症しているのに、痛いとも言わずに歩行している在宅療養者がいました。さすがに歩き方がおかしいですし、足の長さも違う、そして膝のあたりに内出血が出てきていました。急いで病院に搬送し、骨折がわかりました。このまま歩行を続けていたら大きな血管を傷つけたりしていたかもしれません。他にも熱中症、脱水、心筋梗塞など、客観的な観察で命を救うことが出来るのも看護師の観察の目です。
家族の介護上での悩みや困りごとを受け止め解決する方向を探すとともに、認知症療養者本人の心身の観察や必要なケアを行っていく事が大切です。

では、問題です。

問題 自宅で75歳の認知症の義母を介護しているAさんが「義母が『財布がなくなった。あなたが盗んだ』というので困っています」と訪問看護婦に訴えた。Aさんへの指導内容で適切なのはどれか。
1. 義母と一緒に財布を捜す。
2. 興奮している間は義母のそばを離れる。
3. 「私は盗んでいませんよ」と答える。
4. Aさんが財布を見つけたら「ありましたよ」と義母に渡す。

第91回看護師国家試験 午前問題64改

本日はここまで。 また、明日。