【看護国試】第101回 Aさん(45歳、女性)は、筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉のため自宅で療養中である。Aさんは球麻痺症状が出現したため、経口摂取に加え、胃瘻による経管経腸栄養管理が開始された。訪問看護師が行うAさんとAさんの家族への指導で適切なのはどれか。

みなさん、こんにちは。
今日はベトナム人看護師さんからのメッセージがあります。

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みなさん、こんにちは。
さて、みなさんは自分の何気ないことばで、またはことばのチョイスを間違えて相手を傷つけたり嫌な思いをさせてしまったりしたことはありますか。特に外国語である日本語を話す時です。日本語はあいまいです。分かりにくいです。YESかNOかはっきりしてほしいと思います。来日したばかりの時はややっこしいと毎日感じていました。私の国では割とストレートにものを言います。相手への気遣いがあまり重視されないため、ことばの言い回しの多い日本語に余計に負担に感じたのかもしれません。「したほうがいいと思う」という意味は「しなくてもいいけどしたほうがいい」と思い込んで、しないでおき、実際やるべきだったことがしばしばありました。相手の声掛けに対して「了解しました」の意味で「分かっています」の返事をし「『分かっています』って?」って びっくりさせてしまったことがあります。「よく出来ていますね」と感心した気持ちを表すつもりだったのが上から目線でいうことばの「よく出来ましたね」といったこともあります。今思えば「相当失礼な態度だったな」と思います。ことばを多く知ったからといって、全部正しい使い方を知っていることにはなりません。せっかく好意を持って話したのに誤解を招き、相手に嫌な思いさせるという残念な結果にならないよう、日頃から周りの人の日本語によく耳を傾けて、正しい日本語の使い方を盗んでくださいね。日本語の使い方は盗んでも警察に捕まらないので心配しないで。

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では、昨日の問題から

問題 Aさん(45歳、女性)は、筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉のため自宅で療養中である。Aさんは球麻痺症状が出現したため、経口摂取に加え、胃瘻による経管経腸栄養管理が開始された。訪問看護師が行うAさんとAさんの家族への指導で適切なのはどれか。
1. 水分は経口による摂取を勧める。
2. 注入時間に生活パターンを合わせる。
3. 経口摂取中の体位は頸部前屈位とする。
4. 胃瘻からの半固形化栄養剤の使用は禁止する。

第103回看護師国家試験 午前問題75

昨日の解答解説
解答 3
解説
1.(×) 水分は経口による摂取を勧める。→ 球麻痺症状(嚥下障害、構音障害など)があるため、経口での水分摂取は困難である。
2. (×) 注入時間に生活パターンを合わせる。→ 生活の主体は療養者。生活パターンに注入時間を合わせるように工夫する。
3.(○) 経口摂取中の体位は頸部前屈位とする。→ 経口摂取の際は、頸部前屈位やうなずき嚥下が誤嚥予防になる。
4. (×) 胃瘻からの半固形化栄養剤の使用は禁止する。→ 半固形化栄養剤の使用によって注入時間が短縮できる。禁止する理由がない。

本日は末期療養者の訪問看護についてです。
日本は今後、多死社会を迎えます。急性期で死亡する人以外は在宅での看取り(みとり)が推奨(すいしょう)されています。在宅でも多くの末期療養者の方が生活し、自宅で亡くなることになります。

統計的にはわかりませんが、「在宅の方が痛みが少ないかも」という印象があります。病院で痛かったけれども自宅に戻ってきたので気がまぎれるのでしょうか?何かほかの事で満足されているのでしょうか?痛みが落ち着いていることが多かったです。
しかし、持続的な痛み止めの使用や疼痛管理、栄養管理など多くの課題はあります。

「住み慣れたところで、自分らしく生きることを支える」ことが在宅ケアです。医療機器が揃い(そろい)、ナースコールを押せばすぐに医師や看護師が駆けつけてくれる病院を離れることへの不安は皆さん、お持ちです。しかし、在宅でも病気による痛みや精神的な苦痛などを和らげることは出来ます。そして、「在宅には家の力」があります。
自分の最後をどう締めくくるかを前向きに考え、自分自身で決めたいと考える人が増えています。在宅では本人と本人の大事な人たちが主役となります。医療従事者はそれを支える脇役としてこっそりと、でも医療従事者でなくてはできない事や看取りの経験からの様々な助言を行って支援していきます。
では、ここで問題です。

問題 39歳の女性。専業主婦。会社員である夫と16歳の長男との3人暮らし。子宮頸癌(ステージⅣ)で化学療法を繰り返してきたが、効果がなく疼痛コントロール目的で入院となった。本人は治療しないなら家に帰ることを強く希望している。臥床している時間が多いが、排泄時はベッドサイドのポータブルトイレを自力で利用可能である。
終末期が近づき医師から家族に病状が説明された。夫から「家で看取ってあげたいが、今後どうしたらいいかわからない」と相談があった。夫への対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1. 臨死期は救急車を呼ぶよう説明する。
2. 長男への病状の説明は控えるよう話す。
3. 家族にできるケアを行っていくことを勧める。
4. 妻と死について話すのは控えるように伝える。
5. 死に至るまでの予想される妻の様子を夫に伝えておく。

第99回看護師国家試験 午後問題93

答は明日。 がんばって。