新出題基準の変更・追加された点の問題と解説⑦:看護国試の予想問題として管理栄養士の過去問から消化管ホルモン!

今回も人体の構造と機能で、消化管ホルモンについてです。

勉強が進んでる方は、管理栄養士の過去問を探してきたので解いてみてください。

予想問題としてよさそうですよね!



第25回
消化管ホルモンに関する記述である。正しいのはどれか。
1. セクレチンは、胃酸分泌を促進する。
2. ソマトスタチンは、胆のう収縮を促進する。
3. コレシストキニンは、膵酵素の分泌を促進する。
4. ガストリンは、空腸のS細胞から分泌される。
5. インクレチンは、インスリン分泌を抑制する。







解説



1. セクレチンは、胃酸分泌を促進する。×
セクレチンは十二指腸のS 細胞から分泌され、膵臓からの炭酸水素イオン(HCO3-)の分泌を促進させます。

分泌されるきっかけは胃酸が十二指腸に入ってくることで、セクレチンは膵臓の外分泌腺に働いて、アルカリ性である重炭酸イオンの分泌を促進して胃酸を中和させようとします。また、胃に対しては胃酸分泌を抑制する作用があります。胃の中に食べ物が何もなければ分泌する必要はないですよね!

2. ソマトスタチンは、胆のう収縮を促進する。×
ソマトスタチンではなく、コレシストキニンが胆のうの収縮を促進させます。

ソマトスタチンは膵臓のランゲルハンス島のδ細胞から分泌されるホルモンです。他の消化管ホルモン(インスリンやグルカゴン、ガストリン、セクレチンなど)の分泌を抑制する作用があります。消化吸収に対しても抑制する方向に働いて、胆のうも弛緩させます。膵臓のランゲルハンス島からは3つもホルモンが分泌されているんですね!

3. コレシストキニンは、膵酵素の分泌を促進する。◎
コレシストキニンは十二指腸のM細胞から分泌されます。

分泌されるきっかけは、食物(特に脂質)が十二指腸に入ってくることです。コレシストキニンは、膵臓に働いて、消化酵素の分泌を促進するとともに、胆嚢の収縮を起こして、胆汁を十二指腸に分泌させます。また、セクレチンと同様に胃酸分泌を抑制する働きがあります。

4. ガストリンは、空腸のS細胞から分泌される。×
ガストリンは胃の幽門前庭部にあるG 細胞から分泌されます。

分泌されるきっかけは、食物が胃の中に入ってくることです。また、迷走神経により副交感神経が優位になるとアセチルコリンが作用し、ガストリンの分泌を促進させます。消化管運動、消化液の分泌は副交感神経が優位なときに活発化しますよね。ガストリンは胃の主細胞や壁細胞に作用し、ペプシノーゲンや胃酸の分泌を促進させます。ちなみに、ペプシノーゲンはどのようにしてペプシンに変化しましたっけ?

5. インクレチンは、インスリン分泌を抑制する。×
インクレチンは、十二指腸から分泌される。

分泌されるきっかけは、栄養素の摂取に伴って食欲を抑制させたり、ランゲルハンス島に作用してインスリン分泌の促進、グルカゴンの分泌を抑制します。看護師国家試験では見慣れないですが、レビューブックでも赤字で書かれていますので、勉強が進んでいる方はちらっと見ておいてください。