新出題基準の変更・追加された点の問題と解説⑫:【看護国試】針刺しの事故後を起こしたらしなくてはいけない3つのこと!

第93回
採血後に針刺し事故を起こしたとき最初にとるべき行動はどれか。
1. 石けんと流水で針刺し部位を洗浄。
2. 採取した血液の感染症を確認する。
3. 針刺し部位を消毒液に浸す。
4. 直ちに抗HIV薬を内服する。



解説


看護業務では、採血や静脈内注射など患者さんに針を使って処置する場面はとても多いです。

そのため、きちんと院内で予防策が立てられていても針刺し事故の報告は絶えません。

調査によると、就業する医療従事者のうち、約2人に1人が毎年針刺しを経験している計算になります。業務上の処置として行う機会が多いことからこれだけのリスクがあるということですね。

事故を起こしたときは、そのときの状況、感染性、刺してしまった人の予防抗体の有無なども含めて関係者全員で情報共有したうえで、今後の対応を決めていきます。


①まずは落ち着く
②落ち着いてから混入しているかもしれない血液を傷口から搾り出してよく流水で洗い流します。
③そして、すぐに上司に報告をします。


相手を確認して感染のリスクがあれば、適切な治療を受けて、経過観察していく必要があります。


「インシデントレポートを書くのが嫌だから、報告しなかった」という方が過去にいました。

インシデントレポートを書くのは、事故を起こしたことの責任追及ではなく、今後再発を起こさないように防止のためなので、起こった事実は隠さないようにしなくてはいけません。みなさんも臨床で働くようになって、万が一、針刺し事故を起こしてしまっても適切に対応してくださいね。



1. 石けんと流水で針刺し部位を洗浄。◎
まずは落ち着いて、混入しているかもしれない血液を傷口から搾り出してよく流水で洗い流します。
血流に入り込むウイルス等を少なからず減らすことが期待できます。


2. 採取した血液の感染症を確認する。
落ち着いて血液を傷口から搾り出してよく洗った後は、すぐに上司に報告をします。
相手を確認して感染のリスクがあれば、主治医から適切な治療を受けて、感染症発症予防のための治療、経過観察をしていきます。


3. 針刺し部位を消毒液に浸す。
針刺入事故後は、混入しているかもしれない血液を傷口から搾り出してよく流水で洗い流します。その後に清毒を行えば、行わないよりかは効果は少なからずあると考えられます。


4. 直ちに抗HIV薬を内服する。
HIV感染者の採血後に針刺し事故を起こした場合には、主治医の判断で抗HIV薬を内服するなどの対応がされると思います。ただ、その可能性がない場合には該当しません。